AIが感情を情報化するっていうビジネスがこれから来るらしい

AIが人間では認知できない人の感情を読み取って言語化するプログラムが開発されているらしい。面談では発見できなかった部下の悩みを掘り起こして的確なサポートをするとか、現在の仕事への満足度とか意欲とかを計って適切な配置転換に役立てるとか、そんなことに活用されることが期待されているそうです。

他人に深層心理を探られるのは苦手、というか嫌いです。お前はこうだろ、と言われようものならそれが当たっていても逆の態度を取ります。その瞬間から逆に走っていくでしょう。うれしくない評価であればなおさら。例えば「あまり表にだしてほしくない」という感情すらも読み取ってもらえるといいのですが。

個人的に「感情」は個人情報の中でももっと大切な情報だと思っています。名前も住所も電話番号も後から付加された情報でしかなく、それは変更が可能な情報ですのでお金と時間をかければ漏洩に対処できる。資産や成績も変化する情報です。

感情は外部の刺激に対する反応ですが、内部から生じる情報です。感情のままに生きることができれば隠すこともないのかもしれませんが、現在の社会ではそれをコントロールすることは必須のスキルです。

東池袋で事故を起こしたじいさんは「予約した店に遅れる」などと我がことを優先してボロかすにたたかれました。いろんな感情が渦巻いていただろう中から最悪の一つを表に引き出してしまったものと思います。深い深い反省と救命意識が表に出れば、脳裏に予約に遅れることがよぎったとしてもたたかれずに済んだかもしれないのに。

でもそれすらもAIにほじくり返されたらどうでしょう。

「確かに頭に浮かんだけど、ここでいうべきことではないから自粛した」から許されたことが、そもそもそれを思うことすら糾弾されるべき、という論調を生み出すんじゃないかと。そう思うとどこAIの感情分析ってやっぱり気持ち悪い。ピンチを楽しむことでチャンスに変えようと思ったら、ピンチに「心の中で笑ってんだろう」と殴られる。そんなことが起きるんじゃないかと。

技術は進化するべき。

技術をつかう人間が進化に遅れないように、自戒を込めておきたい。